ラインではなくメールのやり取りをしていた時期

LINEの友達かも?の欄に懐かしい人を見た。

物心ついた頃から数えて一番最初に好きになった人、つまり初恋だった人がいた。

今はもうなんとも思っていなかったから記憶からほっておいた。

しかし最近「覚えてる?」とメッセージを寄越してくれた。

 

正直、嬉しかった。

あの頃の私は女子校にいたから、異性の知り合いがいるということだけでかなり優越感を感じたし新鮮味がある毎日を過ごせた。

何もなかったけれどあわよくば、何かの拍子にでも一緒にいられないかと思ったものだ。

当時、彼には可愛い彼女がいたのだが。

 

覚えてますよ!

といたって普通のメッセージを送った。

これからまたお話ができるのかな。とか、

ご飯食べに行きたいな。とか、

期待を胸に送信したのだ、

けれど、

ボタンを押した瞬間

すぅっと、私の中で何かが冷める音がした。

 

そして確信してしまった。

初恋は、初恋のままでいいのだ。

その時のほろ苦く報われない想いは

甘酸っぱく爽やかな思い出として生かしていける。

だから大事に胸にしまっておけば良い。

それが良いんだと。

 

その後の返信を読まずにトークルームを削除した。躊躇いがないわけではないけれど、悩む時間はそこまで必要としなかった。

そういう思い出があったなあって、懐かしめる。それだけで十分だった。

 

一緒にカラオケ行ったなぁ とか

買い物行ってごはんたべたなぁ とか

ゲーセンでヌイグルミ取ってくれたなぁ とか

たくさんメールやりとりしたなぁ とか

横顔が好きだったなぁ とか

 

十分すぎたんだ。

 

でも、やっぱり好きだったなぁ。